アベノミクスによる公共事業の増加、2020年東京オリンピック、リニア中央新幹線事業等大型事業が次々と計画され、建築業界は活気を取り戻してきています。
ところが建築業界を支える職人の数は、高齢化による退職者の増加や若者の職人離れ等により年々減少しており、深刻な人材不足となっています。
若手人材の確保・育成のため、左官⇔タイル張り多能工育成15ヶ年事業をまとめ、国の補助金事業(平成30年度 多能工化モデル事業)として認めてもらいました。
平成30年度 多能工化モデル事業 支援対象案件の一覧表 はこちら(国土交通省HP)でご覧いただけます。
本事業は、株式会社長谷川と株式会社木下工業の2社共同で行い、タイル張り工育成については株式会社長谷川が担当し、左官工育成については株式会社木下工業が担当します。
両社の若手職人に対して、両社がそれぞれの技術を伝授することにより、タイル張りと左官、どちらもできる多能工を育成することを目標とします。
主な事業内容は、次の通りです。
従来は、先輩職人が「自分の背中を見せて、真似させて覚えさせる」という方法で、若手職人に技術を伝授していましたが、年齢差や考え方のギャップ等によりこの方法は有効とは言えなくなってきていました。
そこで、職人育成のためのカリキュラムを作成し、教材に則して体系立てて教育訓練を行うこととします。
若者が親しみやすい媒体であるホームページを使って、若者にタイル張り業が魅力ある職業であることをアピールすることで、興味を持ってもらい、若手人材の入職につなげます。
本業(タイル張り工)において国家資格である技能検定試験1級を修得、また関連業務(左官工)においては同2級を修得し、両方の工程を専門職として行うことができるようにすることで、少ない人数で、より多くの仕事に対応できるようにします。
若手人材を多数確保・育成し、タイル張り工と左官工の両職を行える多能工を輩出することで、職人不足を解消し、日本の建築業界の活性化に貢献したいと考えます。
本業(タイル張り工)において国家資格である技能検定試験1級を7~10年で修得、また関連業務(左官工)においては3~5年で同2級を修得し、両方の工程を専門職として行うことができるようにすることで、少ない人数で、より多くの仕事に対応することができるようになります。
なおタイル張り工事業と左官工事業は、工事の流れの中で隣り合った業種であり、また技術・技能や資材、道具類も類似しており、相互に協力して技術を修得することは比較的容易であると考えられます。
また「左官⇔タイル張り」多能工を育成することで、工事の流れにおいて同一担当者で一貫した施工を行えるようになり、段取り替えや担当替えによる時間ロス等を抑制し、生産性向上を図ることができます。
国家資格修得を目標として、段階を追ったカリキュラムを作成します。
社内にトレーニング施設を整備し、若手職人がいつでも練習できる環境を整えます。
従来、技術の伝授は先輩職人から若手職人へ口伝えによるものが多かったのですが、教材にまとめることによって、技術の体系化を図ると共に、各職人による認識のばらつきをなくして技術内容の統一を図ります。
現場へ出る前に座学や訓練により、施工・現場に関する知識や安全衛生について十分に学ぶ時間を設けます。
若者に、「職人仕事の素晴らしさ」や「丁寧な教育を行っていること」をアピールすることで、タイル張り工や左官工に興味を持ってもらい、若手人材の入職につなげます。
技能検定試験に合格し、プロとして認められる職人を目指します。